• 社会混乱を招いた政治的偽情報

社会混乱を招いた政治的偽情報

2022.01.19

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東京都の調査によると、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、SNSや一部メディアで「トイレットペーパーが不足する」「外国人による買い占めが起きている」などのデマが急速に拡散された。これにより実際に生活用品の買い占めが全国で発生し、一時的に商品棚が空になる状況が生じた。同センターはこれらの現象を「不確実な情報が市民生活に混乱を与える具体例」として問題提起している。

 

この事例からも明らかなように、「話題性が先に来て事実が後から追いつく」という構造が支配的になっている。これは企業の炎上マーケティングと非常に似た手法であり、「不安」や「怒り」に訴える情報は爆発的に広がりやすい。ここにこそ政治広告化の本質があると捉える。商品を売るように政策や政党を「売る」時代において、拡散=勝利という構図が、有権者の判断をゆがめる情報設計に繋がっている。結果として、事実確認よりも「先に信じられたもの勝ち」となる情報戦の構造が強化されてしまう。対策としては、発信側に対する広告倫理と開示義務を設ける必要がある。

 

[東京都消費生活センター](https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/2201_02/wadai.html)