• 葛飾区で繰り返される不透明な行政運営と権力構造

目次

葛飾区で繰り返される不透明な行政運営と権力構造の実態

葛飾区役所の庁舎移転と再開発に潜む疑問

  • 葛飾区は立石駅北口の再開発ビルに約700億円超を投じて区庁舎を移転しようとしているが、現庁舎は耐震補強済であり、移転の必然性が不明確である。
  • 住民は「権利床の取得価格が高すぎる」として、約7億円の財産損害が生じたと住民監査請求を行ったが、監査委は「損害金額が不確定」として棄却した。
  • 本来の事業費247億円という説明とは裏腹に、総額は再開発と合算で1,000億円を超える可能性があると指摘されている。
  • この計画には庁舎移転ありきで行政が動いていたとの証言もあり、区民不在で進められた印象が強い。

区職員による不正と懲戒処分が相次ぐ

  • 2025年、金町区民事務所で保険料・税金を横領したとして職員が懲戒免職された事件が発覚した。金額は約140万円。
  • 同時に、無許可で不動産業を行っていた50代職員が停職処分に。また、育児休業制度の不正利用で30代職員2名が停職処分を受けている。
  • 葛飾区の処分発表は数ヶ月遅れで、内部処理で済ませようとしていた可能性も指摘されている。

政治的構造としての「自民・公明」議会支配

  • 葛飾区議会は自民党(12名)と公明党(11名)で過半数を大きく上回る与党多数派を形成しており、予算や政策決定において強い影響力を持つ。
  • 少数野党は共産党(5名)、立憲民主・維新系、無所属などに分かれており、連携した対抗軸にはなっていない。
  • 庁舎移転計画や補助金の不正支出問題では、維新系や一部の中立派が独自に追及しているが、多数決の壁に阻まれてきた。

補助金不正と区長への献金の関係性

  • 社会福祉法人「葛飾会」が運営する保育園で、約4億円以上の補助金不正流用が明らかになった。
  • 同法人の代表が、青木克徳区長の後援会に対し2017~2021年に計145万円を献金していたことが判明している。
  • 住民団体「葛飾区政をただす会」などが再三にわたり説明責任を求めているが、区長側からの明確な釈明はない。

ピッピ的に重要な論点整理

  • 制度や公共事業が本来の目的(住民のため)ではなく、「事業化」「再開発」「民間誘導」といった言葉で権力側が利権化していく構造にある。
  • 見せかけの説明資料や費用試算が繰り返され、事実上の意思決定は終わってから“追認”される形になっている。
  • 議会構造が変わらない限り、行政の意思決定を是正することは困難であり、政治的支配構造そのものの可視化が必要。

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