• 森友文書欠番・「のり弁」・「応接録」の現状

森友文書欠番・「のり弁」・「応接録」の現状

2025.08.13

目次

不足する記録、安倍昭恵氏と籠池夫妻の写真に関する応接録

  • 2025年8月13日、財務省は森友学園問題に関連する第3回目の文書開示を実施した。この開示には、内部職員が残した「手控え」やメール、手書きメモが含まれていた。
  • 開示文書の中には、2017年6月12日付メールで「森友案件に関しては、今後、開示請求に対して極力新たな文書を開示しないように対応することで与党と調整」と明記されており、情報隠匿の意図が文書に刻まれていた。
  • さらに、赤字手書きによる「忖度」「いかに出さない方法を検討するか」「存在を知らない者に特定させないようにしたい」との記述も確認され、公文書改ざん問題の構造を如実に示していた。

内部の異論と透明性への課題

  • 一部財務省内部では、「不開示理由が不明瞭で脆弱」との声も上がっており、公開姿勢への疑問が内部からも呈されていた。
  • こうした内部異論の存在は、組織的対応と個人の倫理観の葛藤を象徴し、情報公開の在り方に対する国民的な関心を喚起するものである。

被害者遺族の視点、赤木雅子さんの訴え

  • 8月13日、赤木俊夫氏の妻である雅子さんが財務省で文書を受け取り、「夫の手の届かないところで、誰がどのように改ざんの指示を出していたのか知りたい」と語った。
  • この発言は、形式上の公開にとどまらず、情報の核心へアクセスすることの重要性を強く訴えるものとして、社会的な重みがあった。

応接録およびのり弁はどうだったか

  • 今回の第3回開示では、安倍昭恵氏と籠池夫妻の写真に関する「応接録」や関連記録は依然として欠落しており、過去から続く“欠番”の問題は解消されていない。
  • また、重要部分が黒塗りされた“のり弁”状態の文書も散見され、「表向きの開示」にとどまり、全容解明には依然として課題が残ることを示している。

8月13日開示の意義と今後の課題

  • 今回の開示は、メール本文や手書きメモを通じて、文書改ざんや情報隠匿の意図が明確に浮き彫りになった点で、これまでの静的な情報開示とは一線を画す内容となった。
  • 一方で、“欠番応接録”や“のり弁”の継続は、最重要証拠の一部が依然として公開されず、行政の説明責任や透明性を疑わせる状況だ。
  • 社会として求められるのは、雅子さんの言葉にもある通り、「隠された真実」にアクセスするための全面開示であり、制度としての情報公開の再構築である。

文書の全てを公開しないと意味がない

  • 1万8千ページもの森友文書が開示された。しかし、安倍昭恵氏と籠池夫妻の写真に関する応接録は欠番のまま、肝心な部分は黒塗りだらけの“のり弁”で覆い隠されている。事実を知るための公開ではなく、事実を遠ざけるための開示。
  • 国や行政が、公文書を当たり前のように修正し、破棄してきたという現実は、まさにファシズムの動きそのものだ。
    不正があったことは誰もが知っているのに、その全容は解明されず、誰が指示し、なぜ行われたのかの説明もない。
  • そもそも、態勢が変わると裁判の判決が変わること自体が異常だ。
    法の下の平等や独立性が形骸化し、都合に合わせて記録や判断を塗り替える国に、未来への信頼は築けない。
  • これは政治の問題であり、同時に広告の問題でもある。
    見せたい部分だけを派手に演出し、肝心な中身は隠す、そんなやり方では真実は永遠に届かない。

出典リンクまとめ